改訂新版 世界大百科事典 「クリムハーン国」の意味・わかりやすい解説
クリム・ハーン国 (クリムハーンこく)
Qrīm Khān
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…10~12世紀のキエフ・ロシアとの関係も13世紀のモンゴルの侵入征服によって断絶し,クリミアはキプチャク・ハーン国の一ウルス(所領)に変わってしまった。15世紀前半になると,独立してクリム・ハーン国をつくったが,オスマン・トルコの興起とともにその保護国となり,13世紀から半島南岸に進出していたジェノバ人の商館も消滅した。トルコは,スラブ人との闘争にクリミア・タタールを利用したが,ロシアもまたピョートル大帝のアゾフ奪取(1696)を経て第1次露土戦争(1768‐74)の末に,キュチュク・カイナルジャ条約でトルコの宗主権を奪い,1783年にはここを完全なロシア領とした。…
…これに対してイワン4世はボルガ流域制圧後クリミアにも軍を送ったが目的を達せず,リボニア戦争中の1571年には侵入したタタールにモスクワを焼かれた。ボリス・ゴドゥノフはコサックにタタールの動きを牽制(けんせい)させる政策を強めたが,17世紀前半クリム(クリミア)・ハーン国は,スムータで弱ったモスクワから莫大な〈贈物〉をとりたて,しかも侵入の手はゆるめず,1650年までに約20万のロシア人が連れ去られた。また1632‐34年のポーランドとの戦争の最中ロシア側では,タタール侵入の報に接した南部出身の士族が戦場を去り,これが敗戦の一因になった。…
※「クリムハーン国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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