日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロメヌケ」の意味・わかりやすい解説
クロメヌケ
くろめぬけ / 黒目抜
gray rockfish
[学] Sebastes glaucus
硬骨魚綱カサゴ目フサカサゴ科に属する海水魚。岩手県以北の太平洋からベーリング海、日本海北部、オホーツク海に分布する。別名はアオソイ。名前のうえでクロソイと混同されやすいが、左右の鼻の間に鼻棘(びきょく)があるだけで頭の背面にまったく棘(とげ)がないこと、眼隔域が広くて隆起すること、背びれ棘(きょく)が14本であること、両顎(りょうがく)には鱗(うろこ)がないことなどの特徴で容易に区別できる。体は暗黄褐色で、鰓蓋(さいがい)と頬(ほお)に3本の暗色帯がある。水深200メートル以浅にすみ、体長50センチメートルぐらいになる。
底引網や深海延縄(はえなわ)で漁獲される。肉は脂肪が多く、煮つけや焼き魚などにするが、味は赤色系のメヌケ類より劣る。
[尼岡邦夫]