日本大百科全書(ニッポニカ) 「クワトリ」の意味・わかりやすい解説
クワトリ
くわとり
Shukrī al-Quwatlī
(1891―1967)
シリアの政治家。ダマスカスの名門の出身。青年時代からアラブ民族主義運動に参加し、1911年にアル・ファタート(青年アラブ協会)の設立に参画するが、1915年トルコ政府に逮捕された。のち、シリアの独立運動を展開し、フランス委任統治府により死刑を宣告され、1920年からエジプト、ヨーロッパに亡命。1931年に帰国しナショナル・ブロックのリーダーの一人となる。1936~1939年国防相兼蔵相。1943~1949年大統領。1949年の軍事クーデターで失脚するが1955年ふたたび大統領となる。1958年エジプトとシリアの統合が成立したのち政界を引退。1967年レバノンで病死。
[木村喜博]