最新 地学事典 「グラールスの押被せ断層」の解説
グラールスのおしかぶせだんそう
グラールスの押被せ断層
Glarus overthrust
スイスアルプス,ヘルベチア帯東部グラールス地方に存在するほぼ水平な押しかぶせ断層。下盤は始新統のフリッシュ層,上盤はペルム紀の火山質角礫岩からなり,その境界部にジュラ紀の石灰岩を薄く挟む。断層面の平均傾斜は北傾斜およそ8°で,水平変位量はおよそ40kmと見積もられている。1840年にA.Escherがこの逆転構造を発見した。A.Heim(1878)により,この構造は二重褶曲によるものであるという説が出されたが,その後,これが北へ押しかぶさった衝上断層であることが確かめられた。このような押しかぶせ断層を含むナップ構造は,スイスアルプス全体で普遍的な地質構造であることが確かめられ,世界のスラスト・ナップ構造のモデルとみなされるようになった。
執筆者:高木 秀雄
参照項目:グラールスの二重褶曲
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

