グリコーゲン病

内科学 第10版 「グリコーゲン病」の解説

グリコーゲン病(糖原病)(筋疾患)

 グリコーゲン病はグリコーゲン代謝に関与する酵素の先天的異常のため,組織内に異常な量または質のグリコーゲンが蓄積する疾患群であり(表15-21-9,図15-21-14)大部分常染色体劣性遺伝である.骨格筋障害を呈する代表的なものは,Ⅱ,Ⅲ,Ⅴ型であり,この3型で筋型糖原病の70~80%を占める.症候はグリコーゲンやその中間代謝産物の蓄積による筋障害,あるいはグリコーゲン分解の最終産物であるグルコース欠乏によるエネルギー危機によって出現する.筋症状としては運動時の筋痛やクランプ,進行性の筋力低下および筋萎縮などがみられる.ライソゾーム以外の解糖代謝異常の場合には,前腕阻血運動負荷試験(forearm ischemic exercise test)で乳酸増加を認めない.確定診断は酵素欠損証明によるが遺伝子診断も併用されている.【⇨13-2-6)】[樋口逸郎]
■文献
Dimauro S, Hays AP, et al: Nonlysosomal glycogenoses. In: Myology, 3rd ed, pp1535-1558, McGraw-Hill, New York, 2004.糖原病Ⅱ型(ポンペ病)ガイドライン編集委員会(代表 衞藤義勝):糖原病Ⅱ型(ポンペ病)診断治療ガイドライン,イーエヌメディックス,東京,2007.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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