改訂新版 世界大百科事典 「ケサン」の意味・わかりやすい解説 ケサンKhe Sanh ベトナム中央部,アンナン山脈にある町。この辺はアンナンで山と海の距離が最も短い所に当たり,高いアンナン山脈を越えてラオスに通じるアイラオ峠の東麓に位置する。海岸のクアンチからここを経て,アイラオ峠を越えてラオスのセポネ,さらにメコン河畔のサバナケットまで国道が通じる。しかもかつての南北ベトナムの境界線から約30km南にある戦略的要点として,旧南ベトナムにとっては北からの侵攻を食いとめる第一線に当たっていた。1975年北からの総攻撃をうけた時,南ベトナム政府軍はここを死守したが,ラオス方面から侵入する北ベトナム軍には勝てなかった。住民には山岳少数民のブルー族などが多い。執筆者:別技 篤彦 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by