ケツノサンゴ(読み)けつのさんご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケツノサンゴ」の意味・わかりやすい解説

ケツノサンゴ
けつのさんご / 毛角珊瑚
[学] Parantipathes tenuispina

腔腸(こうちょう)動物門花虫綱六放サンゴ亜綱ツノサンゴ目ウミカラマツ科に属する海産動物。相模(さがみ)湾以南の太平洋岸に分布し、水深200メートルの深所に産する。オーストラリアニュージーランドにも産する。群体は高さ10~20センチメートル。主幹は直立し、主幹の基部を除いて、その周りから長さ5~15ミリメートルの側枝を出す。側枝は主幹に対してほぼ直角に出るが、やや上方に向く。側枝はしばしば細枝を分岐させる。それゆえ群体は瓶洗いブラシのような形となる。個虫は非常に小さい。しばしばイソメ科の多毛類が寄生するが、イソメに寄生された群体には主幹に沿って網目トンネルができ、イソメはその中にすむ。

[内田紘臣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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