ケーゲル(読み)けーげる(その他表記)Kegel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケーゲル」の意味・わかりやすい解説

ケーゲル
けーげる
Kegel

ドイツを中心に主としてヨーロッパで行われているボウリング一種。ピンが9本なのでナインピンズ九柱戯)といって、アメリカから日本に伝わったピン10本のボウリングと区別される。ケーゲルとはドイツ語で円錐(えんすい)の意味で、ピンの形から生まれたことばである。ボウリングはドイツやオランダ古くから行われていた。とくにドイツでは、ピンを倒せば罪を清めることができると考えられ、宗教的な儀式の一つとして盛んになった。16世紀になって、宗教改革で知られるマルティン・ルターがピン(ケーゲル)を9本にした新しい競技規則をつくったが、これが現在のケーゲルの基礎となった。この競技はオランダ人によりアメリカに伝えられたが、賭(か)け事の対象となったため禁止され、19世紀になり新しくテンピンズのボウリングが生まれた。ケーゲルはアスファルトの床で行われることが多いが、木の床でも行われる。

[大谷要三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のケーゲルの言及

【九柱戯】より

…従来の戸外にかわって屋内に板張りレーンを敷き,トックリ型のピンを並べ木製ボールをころがす。イギリスではスキットルskittle,オランダ,ドイツでケーゲルKegel,フランスでキレquillesと名付けられている。1626年,オランダ移民によってアメリカ大陸へ持ち込まれ,上陸地点のニューヨークを中心に各地へ広まったが,酒場内で賭博の対象にされ始め,1841年コネティカット州を皮切りに各州で禁止法が成立した。…

※「ケーゲル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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