日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケーゲル」の意味・わかりやすい解説
ケーゲル
けーげる
Kegel
ドイツを中心に主としてヨーロッパで行われているボウリングの一種。ピンが9本なのでナインピンズ(九柱戯)といって、アメリカから日本に伝わったピン10本のボウリングと区別される。ケーゲルとはドイツ語で円錐(えんすい)の意味で、ピンの形から生まれたことばである。ボウリングはドイツやオランダで古くから行われていた。とくにドイツでは、ピンを倒せば罪を清めることができると考えられ、宗教的な儀式の一つとして盛んになった。16世紀になって、宗教改革で知られるマルティン・ルターがピン(ケーゲル)を9本にした新しい競技規則をつくったが、これが現在のケーゲルの基礎となった。この競技はオランダ人によりアメリカに伝えられたが、賭(か)け事の対象となったため禁止され、19世紀になり新しくテンピンズのボウリングが生まれた。ケーゲルはアスファルトの床で行われることが多いが、木の床でも行われる。
[大谷要三]