ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲミストス・プレトン」の意味・わかりやすい解説
ゲミストス・プレトン
Gemistos Plēthōn, Geōrgios
[没]1450./1452. ミストラ
ビザンチン帝国の哲学者,人文学者。モレアの首都ミストラで長年新プラトン哲学を講じた(→新プラトン主義)。オスマン帝国の脅威にさらされたビザンチン末期にあって,人文主義者として古典ギリシア精神の再興をはかり,結果としてキリスト教と対立。1438年にフェララ=フィレンツェ公会議に参加し,フィレンツェにおいてコジモ・デ・メディチを説いてプラトン・アカデミーの創設に携わったが,死の直前にミストラに戻った。またストラボンの地理学を西ヨーロッパに紹介し,クラウディオス・プトレマイオスの地理観を放棄させる端緒を開いた。主著『法律』Nomōn syngraphēは新たな異教主義を説いたため教会当局の命によって焚書にあったが,そのうち「運命について」Peri heimarmenēsのみ現存する。
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