コウキセッコク(読み)コウキセッコク(その他表記)Dendrobium nobile

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウキセッコク」の意味・わかりやすい解説

コウキセッコク(高貴石斛)
コウキセッコク
Dendrobium nobile

ラン科の多年草ヒマラヤから中国雲南,マレーシアを経て北部オーストラリアに分布し,日本では温室で栽培される最も大衆的な洋蘭である。茎は高さ 30~50cmで2~3本束生し,肉質で汚緑色。節間は短く,白茶色の葉鞘がこれを包む。葉は長さ 8cm内外,薄手の革質で2年たつと落ちる。 12月から7月にかけて,茎の上半部各節から短い総状花序を出して1~3花ずつつける。花は径 7cmほどで,花被片は開出し,上半部は桃紅紫色,基部は淡色。唇弁はずい柱を囲み,先端はとがり,中央にビロード状の暗紫斑がある。和名学名を直訳したもの。花屋ではノビルと略称しており,他種との交配で多くの園芸品がつくられている。

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世界大百科事典(旧版)内のコウキセッコクの言及

【デンドロビウム】より

…通常は丸型の茎が多いが,シカクセッコクD.tetragonum A.Cunn.(オーストラリア原産)のように角型の茎をもっているものや扁平な茎を有する種もあり,花の大きさや色もさまざまで変化に富む。日本で園芸植物として量産され,よく見かけるものには,デンドロビウム・ノビレD.nobile Lindl.(和名コウキセッコク。ヒマラヤから中国南部原産)を基本に育成され,冬から春に咲くノビレ系と,デンドロビウム・ファレノプシスD.phalaenopsis Fitzg.(和名コチョウセッコク。…

※「コウキセッコク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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