花屋(読み)ハナヤ

デジタル大辞泉 「花屋」の意味・読み・例文・類語

はな‐や【花屋】

花を売る店。また、その人。

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精選版 日本国語大辞典 「花屋」の意味・読み・例文・類語

か‐おくクヮヲク【花屋・華屋】

  1. 〘 名詞 〙 美しい家。美しく飾られた建物
    1. [初出の実例]「近来華屋居移気、羞見煙波有釣舟」(出典:蕉堅藁(1403)梅図鄣子)
    2. 「盃酌数行、花屋の夜宴を設く」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)一一)
    3. 「さて其の富貴と云へばとて、金盤に此花を盛て、結構なる華屋に薦る様なる事ではないぞ」(出典:四河入海(17C前)一四)
    4. [その他の文献]〔史記‐滑稽列伝・優孟〕

はな‐や【花屋】

  1. 〘 名詞 〙 花を商う家。また、その人。
    1. [初出の実例]「花屋にはまづ月をうる楊櫨哉〈経光〉」(出典:俳諧・大海集(1672)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花屋」の意味・わかりやすい解説

花屋
はなや

草木の切り花を販売する店。18世紀ごろから大都市に現れ、おもに神仏に供える花を手桶(ておけ)に入れて商った。いけ花の花は少なかったという。店の前に柳の木を植え、これを看板とした。19世紀後半からは温室による営利的栽培が普及し、華道隆盛につれて、いけ花用切り花の需要が増えた。1950年(昭和25)以後は園芸店ともいうようになり、商品はおもに花卉(かき)市場から供給されている。一方、こうした店売りに対して、振売りの花売りも存在した。籠(かご)、二階棚、竹筒などに自家栽培の切り花を入れて天秤(てんびん)棒で担いだ男性や、菰(こも)に巻いて頭にのせたり背負ったりした女性が町中を売り歩いた。近代でも19世紀末ころまでは荷車にのせて売り歩く男性の花売りがいたり、また、京の大原女(おはらめ)も薪にかえて花を売るようになった。現代では担売りはほとんどみられない。

遠藤元男

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