日本大百科全書(ニッポニカ) 「コカゲロウ」の意味・わかりやすい解説
コカゲロウ
こかげろう / 子蜉蝣
昆虫綱カゲロウ目コカゲロウ科Baetidaeの昆虫の総称。体長5~10ミリメートルの小形のカゲロウで、前翅(ぜんし)の中脈は分岐せず、後翅は小さく、前縁に鉤(かぎ)状または三角状の突出がある。後翅の縦脈はわずかに2、3本で、横脈はない。後翅を欠く種類もある。幼虫は、えらが羽毛状になることはなく、複眼は頭部の側方につき、3本の尾のうち外方のもののみ細毛を列生し、また各腹節の両側には後ろに向く突起をもたない。日本産の代表種のフタバカゲロウCloeon dipterumは、幼虫が浅い池沼やプールなどにすみ、成虫は7~8月に出現する。フタバコカゲロウPseudocloeon japonicumは、幼虫が渓流にすみ、成虫は5月に出現する。シロハラコカゲロウBaetis thermicusは、幼虫が山地渓流の代表種で、成虫は3~10月の期間に何回か現れる。コカゲロウ科の仲間には未研究のものが多い。
[山崎柄根]