デジタル大辞泉
「突出」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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つき‐だし【突出】
- 〘 名詞 〙
- ① 突き出すこと。後ろから前の方へ出るようにすること。
- [初出の実例]「当人の後へ廻り、不意に衝(ツ)き出しを喰はせしことゆゑ、一溜もなく」(出典:ありのすさび(1895)〈後藤宙外〉二)
- ② 突き出ていること。また、突き出ているもの。でっぱり。
- [初出の実例]「四条の橋を渡った所に、川へ突(ツ)き出(ダ)しを作った安値(あんちょく)な西洋料理屋がある」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)
- ③ 江戸時代の遊里で、禿(かぶろ)の時期を経ないで、一四、五歳の頃、すぐに遊女となって客に接すること。また、その遊女。後には、広く、はじめて遊女や芸者となって客の前に出ることにもいう。突出女郎。つきいだし。
- [初出の実例]「十四五歳・十五六歳にて其家へ来り、其儘傾城に仕立出すを突出(ツキダ)しといへり」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一)
- ④ 料理屋などで、本料理の前に出す小鉢物など。また、酒の肴となるちょっとしたつまみ。
- [初出の実例]「突出しの肴といふがごとし」(出典:酒肴むりもんだふ(1830‐44))
- 「上方風のうまいつき出(ダ)しで一杯始めながら」(出典:桐畑(1920)〈里見弴〉二つの心)
- ⑤ 物の突きはじめ。撞(つ)くことの最初。
- [初出の実例]「竹田の院の鐘も、突(ツキ)出しともに七つなれば、少しは心せはしきに」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)六)
- ⑥ 相撲のきまり手の一つ。てのひらを相手の胸や肩へ突き当てて突っ張り、相手を土俵外へ出す技。
- ⑦ 緡(さし)一本に一〇〇文貫いた、いわゆる百刺しを前に突き出すこと。つまり賭金を前に積むこと。
- [初出の実例]「壱匁迯何本突出(ツキタ)し」(出典:洒落本・一騎夜行(1780)二)
- ⑧ 点取俳諧で、点の掛からない句。
- ⑨ ( 「付出」とも ) 和船のみよし(船首材)の側面形状のふくらみをいう船大工のことば。特に関船や小早のように、吃水線付近でいちじるしく前方に突き出た感じの大きなふくらみをもつみよしにいう。
- [初出の実例]「つき出し巾、五に二寸九分掛、又は三寸、但しかき入は外にして」(出典:当流関船寸法書)
- ⑩ 指物(さしもの)の名。
- [初出の実例]「突出(ツキダシ)」(出典:武用弁略(安政再板)(1856)五)
とっ‐しゅつ【突出】
- 〘 名詞 〙
- ① つきやぶって出ること。勢いよく前に出ること。〔文明本節用集(室町中)〕
- [初出の実例]「守将オスマンパシャは突出を試み、衆寡敵せず兵員皆な敵弾に倒るるに至り」(出典:報知新聞‐明治三七年(1904)八月二四日)
- ② 高く、または長くつきでること。凸出。
- [初出の実例]「海中に突出せる陸地を海角又岬と云ふ」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉二)
- ③ だしぬけにとびだすこと。急につきでること。
- [初出の実例]「突出(トッシュツ)難レ弁〈略〉ぴょいとなり」(出典:譬喩尽(1786)一)
- [その他の文献]〔韓非子‐外儲説右下〕
- ④ 他より目立って多いこと。他より図抜けること。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「突出」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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