コシャチイルカ(その他表記)Cephalorhynchus heavisidii; Heaviside's dolphin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コシャチイルカ」の意味・わかりやすい解説

コシャチイルカ
Cephalorhynchus heavisidii; Heaviside's dolphin

クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科イロワケイルカ属。体長は約 1.7m。出生体長は推定 1m以下。頭部から胸部の体側にかけては灰色。噴気孔周辺から背部後方に向って濃灰色部が広がり,背鰭 (せびれ) ,尾柄部ならびに尾鰭は濃灰色である。胸鰭のつけ根前方と腋に菱形の白斑があり,肛門付近に波形の白斑がある。眼の周辺や前頭部が濃灰色を呈するものもいる。体型はずんぐりとしている。噴気孔は1個で頭部正中線上に位置する。嘴 (くちばし) は短く口唇のようにわずかに突出し,前頭部の傾斜はなだらかで,嘴と頭部の境界は明瞭でない。背鰭は体の中央にあり,高く,形状はほぼ二等辺三角形で,先端は鈍く後方に傾く。胸鰭は幅があり,先端は丸い。上下顎骨に小さく鋭い円錐歯が左右 22~28対並ぶ。通常 10頭以下の小群をなし,2~3頭の群れをつくることが多い。魚類やイカ類を捕食する。分布はアフリカ大陸南西部に限られ,南緯 17゜以南のアフリカ大陸南端に出現し,沿岸の浅所に生息する。沿岸域での刺網巻網底引網漁業で混獲される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android