最新 地学事典 「コッセル結晶」の解説
コッセルけっしょう
コッセル結晶
Kossel’s crystal
成長しつつある結晶面を初めて原子論的に説明した理想的なモデル。単純立方格子で説明する。原子を立方体であるとみなすと,結晶は立方体を積み重ねたものと考えられる。結晶面に新しく原子が付け加わる場合,原子が2個の面で結晶に接することになるような位置をステップ(X-X′)といい,3個の面で接することになるような位置をキンク(C)という。接する面が多いほど,原子は結晶に固く結びつけられており,結合の強さはA>B>C>D>Eのようになる。結晶成長の際にはキンクが重要な役割をする。キンクが存在すると,原子はキンクに選択的に付着する。すべてのキンクに原子が付着してキンクがなくなると,今度はステップに原子が付着し新しいキンクができる。このようにして原子がキンク,ステップを埋め尽くすと結晶面は平らになる。次の段階ではこの平坦な面の上に原子が付着し,新しいキンク,ステップができる。このような過程を繰り返しながら成長が進むと仮定したモデルをコッセル結晶という。
執筆者:月村 勝宏

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

