このこ

改訂新版 世界大百科事典 「このこ」の意味・わかりやすい解説

このこ

ナマコ卵巣を干した食品海鼠子と書く。いりこ製造の際とり出した卵巣を水洗いして,縄やさおにつるして干し上げる。薄い三角形のものと小さな棒状のものとがあり,かば色をしている。このわた様の淡い香りと,ウニに似た淡い味をもつ珍味で,近年末端価格で10g2000円以上ときわめて高価である。さっとあぶって酒をぬり,せん切りにして酒のさかなや懐石料理の八寸,箸(はし)洗いなどに用いる。
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百科事典マイペディア 「このこ」の意味・わかりやすい解説

このこ(海鼠子)【このこ】

ナマコの卵巣を干したもの。干しナマコのいりこを製造する際にとり出した卵巣を,水洗いしてひもにつるして乾燥させる。三味線の撥(ばち)のような形をした撥子と,小さな棒状の棒子(ぼうこ)とがあり,かば色をしている。独特の磯の香りがあり,珍味とされている。さっとあぶってせん切りにし,酒の肴などにする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「このこ」の意味・わかりやすい解説

コノコ

「コノコフィリップス」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のこのこの言及

【ナマコ(海鼠)】より

…マナマコはよく酢の物にして食べ,煮て干したいりこは〈海参〉と呼ばれて強精剤にされ,またキンコ(イラスト)も別名フジコと呼ばれ一時は大量に乾製品がつくられた。〈このわた〉は,内臓を塩づけにしたものであり,〈このこ〉は卵巣を塩づけにして乾燥したものである。【今島 実】
[料理]
 《本草和名》に〈海鼠 和名古〉とあるように,日本では古くナマコを〈こ〉と呼んでいた。…

【マナマコ(真海鼠)】より

…ナマコ綱マナマコ科の棘皮(きよくひ)動物。日本各地に分布し,潮間帯から水深30mくらいまでの浅海にすむ。体長20~30cm,体幅6~8cmの円筒状。体色には変異があって外洋の岩礁にすむものは濃淡の褐色と栗色の斑紋があって俗にアカコと呼ばれる。また内湾の砂泥底にすみ,暗青緑色から黒っぽいものはアオコと呼ばれ,極端に黒いのはクロコとも呼ばれる。背面から側面には大小の円錐形のいぼ足がほぼ6縦列に並ぶ。腹面は赤みを帯び,管足は3縦帯に密生している。…

※「このこ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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