日本大百科全書(ニッポニカ) 「コビトワニ」の意味・わかりやすい解説
コビトワニ
こびとわに
dwarf crocodile
brood-nosed crocodile
[学] Osteolaemus tetraspis
爬虫(はちゅう)綱ワニ目クロコダイル科のワニ。この科では最小で原始的な種である。西アフリカに分布し、吻部(ふんぶ)の形状や頭骨の構造の違いで、ニシアフリカコビトワニO. t. tetraspisとコンゴコビトワニO. t. osborniの2亜種に分けられる。全長1~1.5メートル、最大でも2メートル足らずの小形で、吻部は幅広く短い。南アメリカ産のブラジルカイマン属Paleosuchusと類似するが、系統的に類縁関係はなく、生態も異なる。性質は温和で、他種よりも陸生傾向が強く、水系からかなり離れた場所にもすむ。
[松井孝爾]