コビトワニ(読み)こびとわに(その他表記)dwarf crocodile

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コビトワニ」の意味・わかりやすい解説

コビトワニ
こびとわに
dwarf crocodile
brood-nosed crocodile
[学] Osteolaemus tetraspis

爬虫(はちゅう)綱ワニクロコダイル科のワニ。この科では最小で原始的な種である。西アフリカに分布し、吻部(ふんぶ)の形状や頭骨の構造の違いで、ニシアフリカコビトワニO. t. tetraspisとコンゴコビトワニO. t. osborniの2亜種に分けられる。全長1~1.5メートル、最大でも2メートル足らずの小形で、吻部は幅広く短い。南アメリカ産のブラジルカイマン属Paleosuchusと類似するが、系統的に類縁関係はなく、生態も異なる。性質は温和で、他種よりも陸生傾向が強く、水系からかなり離れた場所にもすむ。

[松井孝爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コビトワニ」の意味・わかりやすい解説

コビトワニ
Osteolaemus tetraspis; dwarf crocodile

ワニ目クロコダイル科。体長 1.5m内外。体は茶褐色。吻は短く,眼は比較的大きい。性質はおとなしい。魚類,水辺小動物などを捕食する。アフリカ西部を中心に分布し,2亜種に区分されている。

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世界大百科事典(旧版)内のコビトワニの言及

【クロコダイル】より

…5属が含まれる。西アフリカ産の原始的なワニとされるコビトワニOsteolaemus tetraspisは,全長2m足らずの小型でおとなしいが,それ以外はすべて大型で性質が荒い。吻(ふん)部が長く,その長さは基部の幅の3~4.5倍もあって歯の数も多いインド・パキスタン産のガビアルGavialis gangeticus(イラスト)は,1属1種の特異なワニで,全長4~6m。…

※「コビトワニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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