こびり付(読み)こびりつく

精選版 日本国語大辞典 「こびり付」の意味・読み・例文・類語

こびり‐つ・く【こびり付】

〘自カ五(四)〙
① 物または記憶・印象などが、かたくついてしまって離れなくなる。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「丹の粕はこびりつくし」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二「それは一時彼の頭にこびり着(ツ)いた妄想を振落としたい気持からもあったが」
② 離れまいとして、まとわりつく。固執してしがみつく。
※開化問答(1874‐75)〈小川為治〉初「世の中の蠅武士の飯を食ひはぐってはならぬと、扶持米にこびり付(ツイ)て居るものとは」
③ やわらかいものが、突っ張ったような感じになる。こわばる。
※瀬山の話(1924)〈梶井基次郎〉「私の顔の表情が固くこびりついてしまった」

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