扶持米(読み)ふちまい

精選版 日本国語大辞典「扶持米」の解説

ふち‐まい【扶持米】

〘名〙 主君から家臣に給与した祿の。中世、土地の給与に代わって米を給与することが起こり、近世に一般化した。幕府の場合は下級の旗本・御家人諸藩の場合も下級藩士に多く、一人一日五合(約〇・九リットル)を標準に一年間分を支給するのを一人扶持と呼んだ。扶持方米。扶持。
※信長公記(1598)一五「諸卒に御扶持米下さるるの事」

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旺文社日本史事典 三訂版「扶持米」の解説

扶持米
ふちまい

江戸時代,幕府や諸藩の家臣に俸禄として支給された米
知行地を与えられない下級武士に支給された。幕府や諸藩の財政難に伴い扶持米を減額されることもあり(半知借上),生活困窮者は扶持米を抵当商人から金融をうけるなど,生活に苦しんだ。

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世界大百科事典内の扶持米の言及

【扶持】より

…助ける,援助するの意から転じて,武士が米などを支給して家来や奉公人を抱え置くこと,またはその支給する米をいう。戦国時代以前にも,家臣に米を給することを扶持と呼んでいたが,江戸時代に入って制度的に整い,武士1人1日の標準生計費用を米5合と算定して,1ヵ月に1斗5升,1年間に1石8斗,俵に直して米5俵を支給することを一人(いちにん)扶持と呼び,扶持米支給の単位とした。これは知行(ちぎよう)高5石の蔵米取(くらまいとり)御家人が1年間に受け取る切米(きりまい)に相当する。…

【役高】より

…領知・知行高がすなわち役高である場合と,これとは別に設定される場合とがあった。この役高に応じ扶持米(ふちまい)や合力米が支給された。例えば1681年(天和1)越後高田城の請取役を命じられた表高(領知朱印高)10万石の越中富山藩主前田正甫(まさとし)は7万石の役高で勤めるよう指示され,105人分の扶持米を受け取っている。…

※「扶持米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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