日本大百科全書(ニッポニカ) 「コメクイドリ」の意味・わかりやすい解説
コメクイドリ
こめくいどり
bobolink
[学] Dolichonyx oryzivorus
鳥綱スズメ目ムクドリモドキ科の鳥。全長18センチメートル。ホオジロ科に似た短くて先のとがった嘴(くちばし)がある。雌雄異色で、雄の夏羽は頭から腹面が黒く、後頭部は黄色、肩と腰が白く、黒くて先のとがった尾がある。雌の羽色と雄の冬羽は似ていて黄褐色に細かい黒斑(こくはん)が散在する。北アメリカの中緯度地方に繁殖し、冬は南アメリカ南部へ渡って過ごす。川べりや水べりの湿地に生える丈の高い草原にすみ、農耕地にも出てくる。渡りのときには大群で農耕地や水田に現れ、和名のように穀物を食害したり、草の種子をついばんで食べるが、繁殖期には昆虫食になる。一夫多妻の鳥で、雄は頭を下げ、後頭部の羽毛を逆立て、尾羽や翼を開いて雌を誘う。
[中村登流]