コライディングビーム(その他表記)colliding beam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コライディングビーム」の意味・わかりやすい解説

コライディングビーム
colliding beam

静止した標的粒子に加速した粒子を入射させる従来加速器と異なり,標的粒子を入射粒子と反対方向に加速し,ほぼ正面衝突させることにより素粒子反応の実効的エネルギーを飛躍的に増加させた衝突粒子のビーム。従来の加速器では,質量 m の粒子の衝突において入射粒子のエネルギーが E であるとき,素粒子反応に有効なエネルギーは にすぎない。コライディングビームでは,加速された 2粒子のエネルギーの和がそっくり反応に効果を現す。コライディングビームによる電子対消滅実験や,陽子‐反陽子衝突実験は素粒子の相互作用の研究に重要な進展をもたらした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 相互作用

今日のキーワード

イチロー

[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...

イチローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android