正面(読み)ショウメン

デジタル大辞泉の解説

しょう‐めん〔シヤウ‐〕【正面】

物の前の面。建築物などの表の側。おもて。「正面から出入りする」「正面玄関」
正しく向き合っている方向。まっすぐ前。「正面を向く」「正面に見える建物」
物事にまともに対すること。避けたりしないで、直接立ち向かうこと。「問題に正面から取り組む」
相撲で、土俵の北側の席。→向こう正面
能舞台で、中央から前の目付(めつけ)柱と脇柱との間の所、およびその外縁の観客席。正(しょう)。→能舞台中正面脇正面

ま‐と‐も【正面/面】

[名・形動]《「真(ま)つ面(も)」の意》
まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。「―に風を受ける」「―に相手の顔を見る」
策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。「―に戦ってはとても勝てない」
まじめなこと。正当であること。また、そのさま。「―な人間になりたい」「これは―な金だ」
[派生]まともさ[名]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

しょうめん【正面】

物の表側の面。建物などの正式の側。 「ビルの-をタイル貼りにする」 「 -玄関」
まっすぐ前。互いに正しく向き合う方向。 「 -に富士山が見える」
能舞台の中央から前の部分。正しよう
[句項目] 正面切る

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

しょう‐めん シャウ‥【正面】

〘名〙
① 正しく前に向いていること。また、その方向。真向き。〔温故知新書(1484)〕
※坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉七「女の方はちっとも見返らないで〈略〉正面ばかり眺めて居る」 〔隷釈〕
② 裏面・側面に対しての前面。建造物などの表の側。見る場合や出入りする場合の正式の方面。
※古事談(1212‐15頃)三「自大仏殿正面東は金鐘行者之所領也」
※歌舞伎・傾情吾嬬鑑(1788)序幕「正面(シャウメン)の襖(ふすま)を引明けると」
③ 物事にまともに対すること。また、遠回しにしないで直接対すること。まとも。
※女難(1903)〈国木田独歩〉三「思ひ切って正面(シャウメン)から問ひかけた」
④ 能舞台で、三間四方の本舞台の前面。本舞台に向きあう観客席の前の方向。また、その場所。
※申楽談儀(1430)「おきなは舞はてて、めんぬぎ、つましゃく取、しゃうめんへ礼して入也」
⑤ 相撲で、土俵場の北面をいう。⇔裏正面
※俳諧・享和句帳‐三年(1803)八月一〇日「正面は親の㒵也まけ角力」
⑥ 近世、品川の遊女屋の張見世(はりみせ)をいった。
洒落本・面美知之娌(1789‐1802頃)「猟舟の篝は正面(セウメン)の唐紙に似て七星九星の形をあらはし」

ま‐と‐も【正面】

〘名〙 (形動) (真(ま)つ面(も)の意)
① 正しく向かっていること。しょうめん。
※俳諧・享和句帖‐三年(1803)一一月一一日「不二颪真ともにかかる頭巾哉」
② まっすぐなこと。正道にあること。まじめなこと。ちゃんとしていること。また、そのさま。〔大坂繁花風土記(1814)〕
※自由学校(1950)〈獅子文六〉その道に入る「マトモな服装の者は、一人もなかった」

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