ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 コンピュータ・シミュレーションcomputer simulation コンピュータを使った計算で現実の世界を模擬すること。理論,実験に続く科学における第3の方法として注目されている。たとえば悪天候の中での飛行機の反応や天体運動など実験が危険ないしは困難な場合,あるいは流体の運動のように方程式が複雑な場合などに行なわれる。第2次世界大戦中のアメリカ合衆国で,ジョン・フォン・ノイマンとスタニスワフ・M.ウラムが中性子の挙動を調べたのが最初であるといわれる。現実を数学的にモデル化し,条件を変えることでいろいろな状況をつくり出し分析する。天気予報などの偏微分方程式を数値的に解いて予想する数値シミュレーション,物価予測などの確率をもとにしたシミュレーション (→モンテカルロ法 ) に分けられるが,どちらも複雑な計算が必要となるとスーパーコンピュータや多くのコンピュータを結んで計算させるグリッドコンピュータなどを用いる。考慮すべき条件がかぎられるのが現実との食い違いを生んできたが,コンピュータの高性能化によってシミュレーションを現実に知覚する努力が続いている。モデルを単純化したものはシミュレーションゲームと呼ばれ,教材として使われることもある。 (→シミュレーション ) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by