日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シミュレーション・ゲーム
しみゅれーしょんげーむ
simulation game
ゲームのジャンル分けの一つで、現実の世界を模した部分がゲームに組み込まれているもの。略してSLGともいう。囲碁、将棋、オセロゲームなど、抽象性の高い盤・駒などを使用するアブストラクト・ゲームに対する語で、元来は、1960年代にアメリカで兵棋演習を模してつくられたシミュレーション・ウォーゲームwargameに対して用いられた。ゲーム理論からいえば盤・駒の非対称性を確立したことにより、戦史の追体験を可能にし、一時ブームを招いた。コンピュータ・ゲームにおいても初期には戦争をテーマにしたものをいったが、現在では戦争ものに限らず、戦国時代の全国制覇を再現したものや、プロ野球球団を経営するものなど、また飛行機の操縦や電車の運転を体験するものなどの現実の世界を模したゲームに対して広く用いられている。
[鈴木銀一郎]
『新井潔・ゲーム研究会編著『シミュレーションゲーム進化論』(1992・光栄)』▽『多摩豊著『SLG(シミュレーションゲーム)解体新書』(1993・光栄)』