普及版 字通 の解説
4画
[字訓] あおぐ・われ
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
二人相対する形。路上に相迎えることを迎(迎)、上下の関係にあるときは、上なるものは抑、下なるものは仰となる。は仰の初文。〔説文〕八上に「むなり。庶するらんと欲するなり」とし、匕と(せつ)とに従うとするが、仰望の意を示す字ではない。また「詩に曰く、高山は(あふ)ぐ」と〔詩、小雅、車(しゃかつ)〕の句を引く。〔広雅、釈詁四〕に「(むか)ふなり」、〔玉〕に「向ふなり」と訓するのは転義。また昂と通用する。一人称の我の意に用いるのは仮借。
[訓義]
1. あおぐ、あおぎみる、仰の初文。
2. 上を望む、上に向かう。
3. むかえる、まつ。
4. 昂と通じ、たかい、たかぶる。
5. 我・吾と通じ、一人称「われ」に用いる。
[古辞書の訓]
〔立〕 タシカ(カシ)・アガル・イタハル 〔字鏡集〕 ノゾム・クツ
[声系]
〔説文〕に声として・仰など六字を収める。昂は〔説文新附〕七上に「擧(あが)るなり」とあり、〔楚辞、卜居〕に「(むし)ろ昂昂として千里の駒の(ごと)くならんか」とみえる。
[語系]
・昂ngang、仰ngiangは声近く、昂・仰はの声義を承ける字。また吾nga、我ngaiと声近く、一人称として通用するが、はほとんど〔詩〕〔書〕にのみ用いられる。
[熟語]
視▶・天▶・鼻▶・望▶・角▶・貴▶・▶・思▶・首▶・食▶・然▶・燥▶
[下接語]
低
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報