さぞ

精選版 日本国語大辞典 「さぞ」の意味・読み・例文・類語

さ‐ぞ

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 「ぞ」は強めの助詞 )
    1. 副詞「さ」を強めた語。そのようにも。実際そのように。
      1. [初出の実例]「『今は君さへつれなくなりまさり給ふこそわびしけれ』兵衛『かはらぬものはさぞ見ゆるや』」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
      2. 「暫しが内もおもしろしと御心はれ給はば、〈略〉とぞ申ける、惟盛聞給ひ、実にさぞ有らん」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)三)
    2. 文末にあって、と同じ強めの意味で文を言い切る。そのとおりだ。そうだろう。
      1. [初出の実例]「さにやと問ひけるに、女、さぞと答へければ」(出典:平中物語(965頃)二五)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 他人の経験、あるいは未知の経験を目前のことのように共感、また、想像する時の実感を表わす。
    1. (イ) さぞかし。さだめし。本当に。
      1. [初出の実例]「男山の峰のもみぢ葉、さぞ名は立つや、さぞ名は立つや」(出典:枕草子(10C終)八七)
    2. (ロ) あとに言うはずの内容を含めてしまう表現。さだめし何々(だろう)。
      1. [初出の実例]「もう今ではお婆さんだが昔はさぞだったらうと思はれる品をする」(出典:杏の落ちる音(1913)〈高浜虚子〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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