サンサバン(その他表記)Saint-Savin

デジタル大辞泉 「サンサバン」の意味・読み・例文・類語

サン‐サバン(Saint-Savin)

フランス南西部、ヌーベル‐アキテーヌ地方、ビエンヌ県の都市ポアチエ近郊の町。ガルタンプ川沿いにある。5世紀の殉教聖人サバンの名に由来する。ロマネスク期のキリスト教壁画の傑作で知られ、世界遺産に登録されたサンサバンシュルガルタンプ修道院付属教会、ガルタンプ川に架かるゴシック様式石造橋、国際壁画研究センターなどがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンサバン」の意味・わかりやすい解説

サン・サバン
Saint-Savin

フランス南西部ポアトゥー地方,ビエンヌ県の町。人口1283(1969)。ガルタンプGartempe川にかかる橋は13世紀にさかのぼる。シャルルマーニュ創建の伝承もある旧修道院のうち,11世紀建立の教会堂(玄関の尖塔は15世紀)が残る。身廊両脇を高い側廊が支える,当地方特有の構造である。壁画が地下聖堂(クリプタ)から鐘塔兼玄関,身廊天井を覆い尽くし,現存ロマネスク絵画の傑作とされる。とくに身廊天井の半円筒ボールト(長さ42m)には,明るい地の上に赤褐色,黄土色,緑,白を使い大胆な形態描写で,《創世記》《出エジプト記》の場面が展開される。1836年に視察に訪れたP.メリメが修復をうながしたことでも知られる。
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