普及版 字通 「サン・セン・たがう」の読み・字形・画数・意味
12画
[字訓] たがう
[説文解字]
[字形] 会意
(しん)+曰(えつ)。は(かんざし)の象形。曰は祝詞を収める器。その器の上に呪物としてのをおくのは、人を譖するときの呪詛の方法である。従っては譖の初文であろうと思われる。わが国にも「忌み」の俗がある。〔説文〕五上に「曾(すなわち)なり」と訓じ、語詞とする。〔詩(斉・韓)、大雅、民労〕「(すなは)ちを畏れず」、〔詩、大雅、雲漢〕「(すなは)ち其の故を知らず」のように、とともに副詞に用いるが、異常の事態のときに用いる語のようである。字の本義は・譖・など、声の字によって考えることができる。
[訓義]
1. たがう、人の意にたがう。
2. そしる、うらむ、にくむ、呪詛する。
[古辞書の訓]
〔立〕 ムカシ 〔字鏡集〕 ムカシ・カツテ・ユカシ
[声系]
〔説文〕に声として・譖・僭・・潛(潜)・(蚕)など十字を収める。のほかは、すべて隠微のうちに人を呪詛する行為をいい、の声義を承ける字である。
[語系]
・tsmは同声。慘(惨)tsmも同声で、惨痛のことをいう。もと(しん)・・tzim(みな、かんざし)を呪飾に用いることがあり、声の字に呪祝に関する語が多い。慘の従うところの參(参)も、人に飾を加えた形である。は横刺し、參は左右斜め刺し、齊(斉)は三本を斉(ひと)しくたてに刺した形で、みなかんざしをいう語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報