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祝詞 のりと

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

祝詞
のりと

祭祀にあたって神前で称える詞章。現在でも祭祀のときにつくられるが,文学史のうえでは,通常『延喜式』巻8所収の 27編 (「東文忌寸部献横刀時呪〈やまとのふみのいみきべのたちをたてまつるときのじゅ〉」を除く説もある) ,巻 16所収の「儺祭 (なのまつり) 文」 (これを除く説もある) ,『台記』所収の「中臣寿詞 (なかとみのよごと) 」をさす。

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デジタル大辞泉の解説

しゅう‐し〔シウ‐〕【祝詞】

祝いの言葉。祝辞。しゅくし。
「末広に―を籠めて」〈一葉・うもれ木〉

しゅく‐し【祝詞】

神に祈る言葉。のりと。
祝いの言葉。祝辞。「新年の祝詞を述べる」

のっ‐と【祝詞】

《「のりと」の音変化》
で、神仏に祝詞(のりと)として捧げる。また、その初めに奏する囃子(はやし)
歌舞伎下座音楽の一。神仏に祈祷(きとう)するとき、大鼓・小鼓能管で奏する。
のりと」に同じ。
「宮人にてましまさば―を参られ候へ」〈謡・蟻通

の‐と【祝詞】

《「のっと(祝詞)」の促音の無表記》「のりと」に同じ。
「御舟ごとに―申して、一たびに御はらへする程に」〈宇津保・菊の宴〉

のり‐と【祝詞】

儀式など改まった場面で、神を祭り、また、神に祈るときに神前で唱える古体の言葉。現存する最古のものは「延喜式」所収の27編と、藤原頼長の日記「台記」所収の中臣寿詞(なかとみのよごと)1編。のっと。のと。のりとごと。「祝詞を上げる」

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百科事典マイペディアの解説

祝詞【のりと】

神道の祭典のとき,神に奏上する言葉。《古事記》では詔戸詞(のりとごと),《日本書紀》では諄辞と記す。語義には諸説あるが,本居宣長の説いた天子の〈宣(の)り説く〉言葉とするのが普通。
→関連項目語り部ことほぎ地鎮祭中臣祓吏読

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世界大百科事典 第2版の解説

のりと【祝詞】

神事に奏する詞。ノリトノリトゴト(詔刀言,能里等其等,祝詞事,祝詞辞,法刀言)の略言。また,ノト(ノリトの略言),ノット(ノリトの音便),ノトゴト(ノリトゴトの略言)ともいった。ノリトゴトの語義については諸説あるが,代表的なものとしては,宣説言(のりとごと)(本居宣長),御卜言(みうらごと)すなわち占兆解言(ふとのりとごと)(敷田年治),宣処言(のりとごと)(折口信夫)などがある。祝詞は,こんにちでは一般に神に奏上するものとされているが,もとは神から発せられた詞と考えられていた。

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大辞林 第三版の解説

しゅくし【祝詞】

祝いの言葉。祝辞。しゅうし。
神に祈る言葉。のりと。

のっと【祝詞】

〔「のりと(祝詞)」の転〕
のりと(祝詞) 」に同じ。
能・狂言の謡の一。神職・巫女などが神にささげる祈りの言葉で,ナリ調の散文。
能・狂言の囃子の一。や山伏の祈禱きとうの謡などに併奏される。
歌舞伎下座音楽の一。を長唄囃子に移したもので,神仏に祈禱するときに,大・小鼓,能管で打ちはやす。

のと【祝詞】

「のりと(祝詞)」の転である「のっと」の促音「つ」の無表記形。 「神主-いみじく申して/宇治拾遺 10

のりと【祝詞】

神事に際し,神前で読み上げて神に申し請う内容・形式の文章。現存する最も古いものは「延喜式」に収められた「祈年祭としごいのまつり」以下の二七編。今日でも神事に奏される。文末を「…と宣る」で結ぶ宣命形式のものと「…と申す」で結ぶ奏上形式のものとがあるが,対句や繰り返しを多く用いた荘重な文体である。のりとごと。のと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

祝詞
のりと

神前に奏上する詞(ことば)。その内容は、祭りにより、場所により異なる。祝詞文の構成は、起首、由縁、献供、祈願または感謝、結尾などの章句からなるものが多いが、このほかにも神徳、装飾、奉仕、祝頌(しゅくしょう)などの章句を用いたものもある。ノリトはノリトゴト(祝詞事)の略言である。ノリトの語義については諸説あるが、ノリは上位者から下位者に言い渡すことであり、トは上にある表現を体言化するように働く。神や霊に対して申し上げる祝詞の文体は、「……と白(まを)す」(申す)と結ぶことから、これを「申す型」(奏上体)という。今日の祝詞は、そのほとんどがこの型であるが、その場にいる者に対して、宣(の)り聞かせる形式もあり、これは「……と宣る」と終わることから、「宣る型」(宣下体)という。この型は大祓詞(おおはらえのことば)に継承されている。今日奏されている祝詞の基本は、『延喜式(えんぎしき)』巻第八(祝詞式)に収録されている27編の祝詞で、これを「延喜式祝詞」という。これらの祝詞がつくられた年代は、祝詞が奏された祭祀(さいし)の歴史と軌を一にするものであるから、27編の祝詞が同時につくられたのではない。また、それぞれに変遷もあったであろうが、平安時代にまとめられたのが「延喜式祝詞」であり、これらはわが国の古典文学作品としても高く評価されている。「延喜式祝詞」以降も、今日まで多くの祝詞がつくられているが、文体、語彙(ごい)など、いずれも式祝詞を踏襲したものが多い。[沼部春友]
 祭儀のときに唱えられる詞章。「のりと」の「のり」は「のる(宣る)」から出たものであり、「のる」という宗教的実修における詞章を意味している。各時代を通じて行われてきたが、文学史においてはとくに『延喜式』巻八に収められている朝廷の祭儀の際の27編(うち一つは漢文)と『台記(たいき)』「別記」に伝える「中臣寿詞(なかとみのよごと)」一編とに限定していうのが普通である。『延喜式』は延喜5年(905)に編纂(へんさん)を開始したが、巻八に収められた祝詞は、そのおよそ100年ほど前、9世紀の初めにはほぼ固定していたとみられる。神祇(じんぎ)官において祭りを執り行い、また神宮や神社で祭りを執り行うときに唱えられる詞章として固定したものである。ただ、個々の詞章の成立には幅があり、7世紀から9世紀初めにわたる可能性があるとみられる。
 内容としては、神前に集まった人々や神職などに「諸聞(もろもろきこ)しめせと宣(の)る」と宣下する型のものと、「称辞竟(たたへごとを)へまつらくと白(まを)す」と奏上する型のものとに大別される。構成は、祭儀の由来を述べる部分と祭事の執行を述べる部分とからなる。表現には、列挙、反復、対句などを多く用いるが、そこには、文字以前の口誦(こうしょう)の段階で形づくられた表現をうかがうことができる点で注目される。口誦の表現の様式として、「朝(あした)には御門(みかど)を開きまつり、夕べには御門を閉(た)てまつりて、疎(うと)ぶる物の下より往(ゆ)かば下を守(まも)り、上より往かば上を守り、夜(よ)の守り日の守りに守りまつる」(「祈年祭」)のごときをみることができよう。[神野志隆光]
『武田祐吉他校注『日本古典文学大系1 古事記・祝詞』(1958・岩波書店)』

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世界大百科事典内の祝詞の言及

【言霊】より

…言霊の信仰によることばの使用は,ことばを積極的に使って言霊をはたらかせようとする考えと,ことばの使用をつつしんだり避けたりする考えと,二つの面に分かれる。神に祈るのに祝詞(のりと)をとなえたり,よい結果を求めるために祝言をのべたりするのは,言霊のはたらきを期待しているのである。ひとの名を秘めるべきものとしたり,忌詞(いみことば)を使ったりするのは,言霊のはたらきを警戒して,ことばの使用をつつしむのである。…

【神道】より

…準備が整うと,聖なる時間である深夜に,あらかじめ用意された依代(よりしろ)・尸童(よりまし)に神を降して,神前に御饌(みけ)・神酒(みき)が供され,歌や舞が神をもてなすために行われる。人々は神に対する願いを祝詞(のりと)や歌などで伝え,神は託宣やさまざまな卜占によって神意を示す。その後,神々と人々とがともに酒を飲み,御饌を食べる直会(なおらい)によって,神と人とのつながりをたしかめて,神々が祭りの場を去ると,禁忌が解かれて祭りは終わる。…

【寿詞】より

…いわゆる言霊(ことだま)信仰に支えられて寿(ことほ)ぎ祝う言葉である。広義には《古事記》《日本書紀》の〈ほき歌〉や〈酒楽(さかほかい)の歌〉のごとき歌や,《古事記》の櫛八玉(くしやたま)神の〈御饗寿き(みあえほき)の詞(ことば)〉や《日本書紀》顕宗天皇条の〈室寿き(むろほき)の詞〉のような詞を含めるが,狭義には《延喜式》巻八〈祝詞〉所収《出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかむよごと)》と,藤原頼長の《台記別記》所収の1142年(康治1)奏上の《中臣寿詞(なかとみのよごと)》との2編をさしていう。前者は出雲の神々の祝福の言葉を国造が奏上し,後者も《神祇令》に〈凡(およ)そ践祚(せんそ)の日,中臣天神の寿詞を奏す〉とあるように,神の祝福の言葉を中臣氏が奏上した。…

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