日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーバタ」の意味・わかりやすい解説
サーバタ
さーばた
Victor de Sabata
(1892―1967)
イタリアの指揮者。トリエステ生まれ。ミラノ音楽院で作曲と指揮を学び、1918~29年モンテ・カルロ歌劇場指揮者。この時代にラベルの『子供と呪文(じゅもん)』を初演した。29~57年ミラノ・スカラ座の指揮者、ついで芸術総監督となり、トスカニーニが去ったあとのスカラ座管弦楽団の水準維持に決定的な役割を果たした。ベルディやプッチーニのオペラで情熱的な演奏を聞かせたが、演奏会指揮者としてもベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ニューヨーク・フィルなどで幅広い活動をみせ、とくにドイツ・ロマン派および近代音楽の解釈に定評があった。
[岩井宏之]