化学辞典 第2版 「シアン酸アンモニウム」の解説
シアン酸アンモニウム
シアンサンアンモニウム
ammonium cyanate
NH4OCN(60.06).イソシアン酸のエーテル溶液にアンモニアを通じるか,尿素を減圧下で160~190 ℃ に加熱すると得られる.NH4+とOCN-からなるイオン結晶である.無色の正方晶系の針状結晶.密度1.34 g cm-3.熱するか,室温で長く放置すると尿素になる.水に易溶.水溶液を加熱すると尿素になる.この反応は,1828年,Friedrich Wöhlerがはじめて無機化合物から有機化合物をつくった例として有名である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報