シクヅシ場所・タカシマ場所(読み)しくづしばしよ・たかしまばしよ

日本歴史地名大系 の解説

シクヅシ場所・タカシマ場所
しくづしばしよ・たかしまばしよ

赤岩あかいわ海岸から於古発おこばち川にかけての一帯を中心に設定された場所。近代成立の高島たかしま郡域にほぼ相当する。タカシマ持場ともみえる。また当初はシクズシ場所とされていたが、一七八〇年代頃までにタカシマに運上屋が移され、タカシマ場所と称することが多くなった。はじめシクズシを切開いた夷人が交易をしていたが、不便なのでタカシマに移し、場所名はシクズシのままであったという(地名考并里程記)。当場所の範囲は「オシヨロ境ヨリヲタルナイ境マデノ里数弐里七丁」で(玉虫「入北記」)、「西蝦夷地場所地名等控」に惣名シクヅシ(「但高島之事」とある)としてカハシラ、シクヅシ、タカシマ、テミヤとある。天保郷帳では西蝦夷地蝦夷人居所之分のタカシマ持場のうちとしてシクズシ、タカシマ、ムマキ、テミヤがみえる。「蝦夷商賈聞書」に「シクヅイシト申地蠣崎重助殿御預リ、出物鯡猟之大場所、串貝ハカハシラ貝ト申而名物、荷積リ千石、湊モ能キ也、此処蝦夷人沢山、鯡類ハカリ積申故運上下直、一ケ年六拾両位」とある。一七五三年(宝暦三年)から「しくすし商場」は住吉屋西川家が請負人となり、五七年まで一ヵ年運上金四五両とされた(「永代万覚帳」西川家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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