したした(読み)シタシタ

デジタル大辞泉 「したした」の意味・読み・例文・類語

した‐した

[副]足音を立てないように歩くときのわずかな音を表す。ひたひた。
跫音あしおとひそめて、―と入ると」〈鏡花・日本橋〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「したした」の意味・読み・例文・類語

した‐した

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 忍びやかな足音や静かに降る雨の音などを表わす語。ひたひた。しとしと。
    1. [初出の実例]「足音がしたしたしたとして。つま戸がきりりと明(あい)た」(出典:雲形本狂言・花子(室町末‐近世初))
  3. しなやかなさま、棒などのしなうさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「竹の根をゆく水のさらさら〈惟然〉 したしたと京への枇杷を荷つれ〈木節〉」(出典:俳諧・鳥のみち(1697)下)
  4. 水などが静かに流れるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「いかなるはずみにか血汐さとほとばしりぬ〈略〉したしたとながれにしむをあなやと両の拳もてしかとおさへたれど」(出典:龍潭譚(1896)〈泉鏡花〉渡船)

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