あい

精選版 日本国語大辞典 「あい」の意味・読み・例文・類語

あい

  1. 〘 感動詞 〙
  2. 呼ばれたときに返事をしたり、同意を表わしたりすることば。
    1. [初出の実例]「呉三桂(ごさんけい)呉三桂(ごさんけい)とめさるる御声おとなしく、雪のみやまにうぐひすのはつねを聞きし思ひにて、あひ、あひ、あひ、とかうべをさげ」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)四)
  3. 何か行動に移ろうとするときなどに、相手注意を促したり、挨拶のことばの上に軽く添えたりして用いる語。
    1. [初出の実例]「アイとさし出す火入を取て」(出典:洒落本・弁蒙通人講釈(1780))

あい

  1. 〘 終助詞 〙 文末について、注意をうながしたり、念を押したりするのに用いる。
    1. [初出の実例]「タソ イルカ ai(アイ)」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))

あいの補助注記

「ロドリゲス日本大文典」「コリャード日本文典」の説明では、「よ」「や」「やい」などと同類で、身分の高いものが低い者と話すときに用いるものとする。


あい

  1. 〘 名詞 〙 北北東の風。
    1. [初出の実例]「佐渡の方言に〈略〉北は正丑(まうし)より吹をあひ」(出典:随筆烹雑の記(1811)前)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あい」の意味・わかりやすい解説

アイ(藍)
あい / 藍
Chinese indigo
[学] Persicaria tinctoria (Aiton) Spach
Polygonum tinctorium Lour.

タデ科(APG分類:タデ科)の一年草。東南アジア原産。日本には飛鳥(あすか)時代以前に中国から渡来したとされる。茎の高さは50~80センチメートル。夏に、枝先に紅色または白色の小花を穂状につける。種子は長さ2~3ミリメートル、熟すと黒色、卵形で3稜(りょう)がある。葉は先のとがった卵形で、全体が赤みを帯びて黒ずんだ緑色。葉から濃青色の染料インジゴをとるために栽培される。インジゴをとる植物にはリュウキュウアイ(キツネノマゴ科)、タイセイアブラナ科)、ナンバンコマツナギ(インドアイ)(マメ科)など数種あるところから本種をとくにタデアイとよぶこともある。日本には昔から「小上粉(こじょうこ)」「百貫(ひゃっかん)」「小千本(こせんぼん)」などの品種が栽培されたが、現在はおもに「小上粉」が栽培されている。これには赤花種と白花種があり、赤花種は早生で品質、収量がよく、白花種は晩生で耐病性が強く、葉の品質はもっとも優れている。

 藍の産地として古くから京都、大阪の近郊が知られ、江戸時代中期以降は阿波(あわ)国(徳島県)が主産地となった。明治時代まではかなり広く栽培されていたが、インドアイからとったインジゴの輸入や、合成インジゴの開発で栽培は激減した。しかし、色合いや木綿などに染め付けて色もちがよいことなどから現在も高級品用に需要があり、徳島県など一部の地域で栽培が続いている。

 漢方では果実・乾葉を解熱、解毒に用い、民間では藍実(らんじつ)の煎汁(せんじゅう)や、新鮮な藍葉をもんだ汁を毒虫の刺傷に外用した。

[星川清親 2020年12月11日]



アイ(アイゴ)
あい

アイゴ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あい」の意味・わかりやすい解説

アイ(藍)
アイ
Persicaria tinctoria (Polygonum tinctorium)

タデ科の一年草。高さ 50~70cmになり,茎は紅紫色を帯びる。中国原産で古く日本に入った。葉,茎から染料をとり,東洋では古来,ムラサキ,ベニバナ,アカネなどとともに染料として重用された。ヨーロッパでは 16世紀に東洋から輸入して使用されるようになり,のちにはヨーロッパ諸国のアジア植民地で栽培された。日本では奈良・平安時代から栽培され,正倉院宝物中の藍染織物や『延喜式』の藍染法などの規定はその重用のさまを示している。江戸時代中期までは各地方で自給されたが,その後,阿波藩で奨励と販売統制を行い,大坂市場を独占するにいたり,阿波藍が全国的に商品として流通した。主産地は阿波と摂津。元文1 (1736) 年大坂集荷の藍玉は 48万貫 (1800t) 。 1897年頃までその生産は増加するが,明治末年,ドイツから輸入の人工藍 (アニリン染料) の圧迫によって衰えた。しかし,品質の良いところから現在でも高級品としての需要があり,生産は続けられている。

アイ
Ai

エルサレムの北方,東部カナン (現ヨルダン) の山中にあった古代の村落。神の言葉に従ってハランを出たアブラム (→アブラハム ) が,カナンに入って最初に天幕を張り,主の祭壇を設けたのがこのアイの西側であったとされる (創世記 12・8,13・4) 。のちにイスラエル民族がこの地に侵入した際ヨシュア (モーセの後継者) によって破壊された (ヨシュア記7,8章) 。

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デジタル大辞泉プラス 「あい」の解説

あい

日本のポピュラー音楽。歌はシンガーソングライター、近藤晃央(あきひさ)。2013年発売。TBS系で放送のドラマ「名もなき毒」の主題歌。

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