カルル大帝 (シャルルマーニュ) にまつわる伝説。 12世紀から 13世紀にかけての初期「武勲詩」のうち,伝説化されたシャルルマーニュが登場する一群の物語詩をいう。武勲詩の3つの詩群のうち『ローランの歌』 Chanson de Roland (1170頃) や『シャルルマーニュの巡礼』 Le Pèlerinage de Charlemagne (1100頃) などを代表とする「王の武勲」では,異教徒に挑戦する全能で勇敢なシャルルマーニュの伝説的な武勲,西ヨーロッパ統一の夢,神聖な使命への誓いなどが語られ,『ゴルモンとイザンバール』 Gormond et Isembart (12世紀前半) などが属するほかの詩群「ドーン・ド・マイヤンスの武勲」でもシャルルマーニュは主君として登場する。