ローランの歌(読み)ローランのうた(英語表記)Chanson de Roland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローランの歌」の意味・わかりやすい解説

ローランの歌
ローランのうた
Chanson de Roland

フランス文学最古の叙事詩。 11世紀末頃成立と推定される。「武勲詩」のうちシャルルマーニュ伝説に属する作品。作者はチュロルドと目されるが確定していない。 778年シャルルマーニュ (カルル大帝) 軍の最後衛部隊がスペインからの帰途ピレネー山中のロンスボーの谷でバスク人の襲撃により全滅した史実に基づく。作品はいくつかの「歌謡」が凝集され,新しい要素が加えられて成立したと思われる。構成は悲劇の原因,悲劇,復讐の3部から成り,英雄賛美,神の与える使命感という中世騎士貴族の理想が描かれている。合計 17種の写本のうちオックスフォード写本が最も古く原形に近いとされている。ドイツの『ニーベルンゲンの歌』とともに中世ヨーロッパ叙事詩の二大傑作。

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