日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャン・ド・マルス」の意味・わかりやすい解説
シャン・ド・マルス
しゃんどまるす
le Champ-de- Mars
フランスの首都パリ西部の広場。軍神マルスの原(練兵場)の意。北はセーヌ川左岸に面してエッフェル塔が建ち、セーヌ川のイエナ橋を挟んでシャイヨー宮と対する。南はエコール・ミリテール(士官学校)に至る。かつてはグルネルGrenelleの野と称されたが、ポンパドゥール夫人の進言でルイ15世により士官学校が建設されてその練兵場となり、1765年に現在の地名となった。1780~1857年には馬場として利用され、1783年には物理学者シャルルにより水素気球の飛行実験が行われた。1790年7月14日革命1周年記念の連盟祭、94年国民議会によって宣言された国家宗教の祭典エートル・シュープレーム祭の舞台となり、また、たびたび万国博覧会会場となった(1867、1878、1889、1900)。エッフェル塔は1889年の万国博覧会の際に建設された。
[高橋 正]