うま‐ば【馬場】
〘名〙
①
乗馬の
練習などをするための
広場。ばば。馬乗馬場
(うまのりばば)。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「
左大将のぬし、
てつがひ給はんとて、むまばについ給へりけるを」
ば‐ば【馬場】
※
菅家文草(900頃)九・為侍従等請引駒日賜幄座状「比
レ至
二馬場
一、出居
大夫、高昇
二殿上
一」
ま‐ば【馬場】
〘名〙
山仕事に出た馬の溜
(たま)り場となる、
山間のせまい平地。山で伐採した木を集めておく場所や休み場などにも利用する。
馬止(まどめ)。
ばん‐ば【馬場】
〘名〙 「ばば(馬場)」の変化した語。
※狂言記・富士松(1660)「此のばんばを越えれば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「馬場」の意味・読み・例文・類語
うま‐ば【馬場】
1 乗馬の練習や競べ馬をする場所。ばば。
2 よい馬の産地。
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馬場
ばば
[現在地名]金沢市
東山三丁目・
小橋町 森下町の西に位置。南西から北東に向かう六つの通りを挟む両側町で、南から一―六番丁に分れる。通りの長さは一―六番丁まで順に約二町三間、約二町五二間、約二町一四間、約二町一二間、約一町五〇間、約二五間(皇国地誌)。六番丁の北西は水車町。町名は南西の関助馬場にちなみ(金沢古蹟志)、関助馬場何番丁・関助何番丁ともよばれていた(元禄六年侍帳)。「稿本金沢市史」によれば万治二年(一六五九)小松に居住していた藩士が一月から四月にかけて残らず金沢へ引越し、関助馬場近辺に家を建てたといい、延宝町絵図によれば若干の地子地はあるものの整然と邸宅が居並んでいたことが知られる。
馬場
ばば
[現在地名]加賀市大聖寺馬場町
大聖寺藩邸の南側に接する武家町で当初は山崎・生駒両家老邸とその東に馬場があるだけであった(延宝元年以前の「大正持絵図」金沢市立図書館蔵)。天明六年(一七八六)の大聖寺絵図では中町・越前町・関町との境が堀で画され、馬場の東、中町との間に村井・中川氏らの屋敷と北端熊坂川・穴虫川合流地付近に百人長屋があり、生駒・山崎邸の南、越前町・関町との間に山崎図書・前田靫負など重臣屋敷が並ぶ。天明以前の大聖寺図(金沢市立図書館蔵)によると南東隅は火除地で、生駒・山崎邸の前の道を「渋谷小路」といった。
馬場
ばば
[現在地名]水戸市城東二丁目
荒神橋から新寺橋へ通ずる片側町で、西は代官町。馬乗馬場ともいう。町の前面は調馬場で側に松並木があった。「水府地名考」に「安永天明の比まてハ上町馬場と此所にて馬揃とて隔年に御厩の馬と御家中馬を曳き集め馬乗の族責馬をなす」とある。
馬場
ばば
[現在地名]相馬市中村 新町
南町とも記される。御小人町の南、新町の北に並行する東西一二一間の通りで、西は御徒士町、東は泉田町に接する。馬場の名は、文久三年(一八六三)に調馬場が置かれたことに由来する。
馬場
ばんば
[現在地名]小矢部市城山町・観音町・八和町
今石動城のあった城山の南東麓に位置し、天正一四年(一五八六)からの城下町建設時には、城代の篠島氏屋敷や馬場があった。廃城後は加賀藩役屋である今石動町奉行所と町奉行与力の役屋敷、藩主などの宿泊施設の御旅屋、高札場が置かれた。
馬場
ばば
[現在地名]赤穂市加里屋
池田氏の時代、城の大手堀際より北は随鴎寺までの二町半の川端堤防にあった幅五間の馬場。中央より南の堤の下に三間・二間半の小板屋の馬見所、西向きに三匹立ての外繋ぎがあった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
ばば【馬場】
乗馬,馬術の練習および馬術競技や競馬を行う場所。古代には端午の節会に天皇が騎射を観覧した馬場が朝廷の武徳殿の前にあり,近衛府,兵衛府にも調練のための馬場があった。古代には国家の軍馬供給を目的とする牧が各地にあったが,これを基盤に古代末から中世にかけて東国を中心に勢力を伸ばした武士は,その軍事力の基礎を騎馬と弓射においた。各地に残る馬場という名には,この牧に由来するものもあると考えられる。また中世武士団の拠点となる広大な豪族の館の中にも必ず馬場があり,戦闘の際の馬揃(うまぞろえ)(勢汰(せいぞろえ))もここで行われた。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
馬場
ばば
馬術の練習や競技を行う場所。古代には朝廷の武徳殿の前にあり,端午の節会には走馬(はしりうま)の儀式が行われた。近衛府・兵衛府にもあった。古代末~中世に武士の戦闘は騎馬と弓射を基本としたため,犬追物(いぬおうもの)・流鏑馬(やぶさめ)・笠懸(かさがけ)などのための馬場が各所に作られた。近世には城下町の城内・城外に作られた。江戸の馬場としては城内の吹上御庭,城下の神田・馬喰町・木挽町・高田などが有名。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報