改訂新版 世界大百科事典 「シュコダ会社」の意味・わかりやすい解説
シュコダ[会社]
Škoda Werke
チェコの一大企業グループで,機械工業関連の企業や研究所を傘下にもつ。本社はプラハ。
1859年,ワルトシュタイン伯爵がプルゼニ(ピルゼン)につくった小さな機械工場がその前身。66年,シュコダEmil von Škoda(1839-1900)が技師長として入り,69年にワルトシュタインから工場を引き継いだ。シュコダは80年代に入り鉄道網を中心に事業を拡張し,90年には武器の製造も開始した。99年シュコダ工業会社となる。1920年代に自動車メーカーの〈ローラン・クレメント商会〉(1894年修理工場として創立,1905年から自動車の生産開始)を買収し,自動車の生産に乗り出した。
1946年に国有化され,蒸気タービン,電気機関車,バス,各種工作機械,製造機械を生産した。シュコダの乗用車は第2次大戦前から有名だったが,国有化の過程でバスを除く自動車生産部門はシュコダ工業会社から切り離された。91年チェコ政府は同社の民営化を決定,2000年にはドイツのフォルクスワーゲン社がシュコダ社の株式を取得した。現在シュコダのブランドの自動車はフォルクスワーゲン社で生産されている。
執筆者:伊藤 正憲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報