日本大百科全書(ニッポニカ) 「プルゼニ」の意味・わかりやすい解説
プルゼニ
ぷるぜに
Plzeň
チェコ、ボヘミア地方西部の中心都市。ドイツ語名ピルゼンPilsen。人口16万6274(2001)。プルゼニ盆地のムゼ川、ラドブザ川、ウーフラバ川、ウースラバ川の合流点にあり、鉄道、道路交通の要所。1295年に都市の特権を認められ、15世紀前半にはフス運動の根拠地であったが、その後カトリックの中心地となった。15世紀後半に急速に発展を遂げ、最初のチェコ語の本『トロヤン年代記』が印刷された。三十年戦争で被害を受けたが、19世紀に石炭と鉄鉱石の豊富なプルゼニ盆地という立地を生かし、工業都市としてふたたび発展した。兵器製造で知られたシュコダ工場の重機械生産、ピルゼン・ビールのビール醸造のほか、鉱山、電気、製紙、皮革などの工業も盛んである。102メートルの塔をもつ後期ゴシック様式の聖バルソロミュー大聖堂、ルネサンス様式の市庁舎などの歴史的建造物が残され、また、ビール博物館などもある。
[中田瑞穂]