チェコ西部,西ボヘミア地方の中心都市。ボヘミアで第2,チェコ全体で第4の都市。人口16万2659(2005)。ドイツ語ではピルゼンPilzen。ブルタバ川の支流ベロウンカBerounka川の沿岸,石炭,鉄鉱石が豊富な盆地に位置し,鉄道・道路交通の要地として発達し,ボヘミア西部工業地区の核を構成している。チェコの機械工業,とくに兵器製造で第2次大戦前に有名であったシュコダ工場に代表される重工業の中心地。また〈ピルゼン・ビール〉で世界的に有名なビール醸造業のほか,鉱山設備,車両,鉄鋼,化学,ガラス,製紙,服飾,建材などの工業が盛んに行われている。プルゼニはまた西ボヘミア地方の文化の中心地でもあり,工学,医学,教育などの高等教育機関,西ボヘミア博物館,ビール博物館,ギャラリー,劇場,科学図書館などの文化施設も数多く存在する。
プルゼニはレーゲンスブルクやザクセンへの通商路に当たり,すでに10世紀には一大交易地として発展していた。その後プシェミスル朝のバーツラフ2世治下に強化され,1295年には都市の特権を得るにいたった。1419-20年はフス派運動の急進派の根拠地であったが,その後カトリックの中心となり,司教座が置かれた。1468年ころ,ボヘミア最初のチェコ語の印刷所があったことでも知られている。19世紀から工業都市の様相を呈した。
市の聖バルトロメウス教会は14~15世紀ころの後期ゴシック建築で,102mの塔をもつ。さらに14世紀のフランチェスカナ教会,1554-59年に建てられたルネサンス式の市庁舎のほか,ゴシック,ルネサンス,バロック式の都市貴族の館が数多く見られる。
執筆者:稲野 強
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チェコ、ボヘミア地方西部の中心都市。ドイツ語名ピルゼンPilsen。人口16万6274(2001)。プルゼニ盆地のムゼ川、ラドブザ川、ウーフラバ川、ウースラバ川の合流点にあり、鉄道、道路交通の要所。1295年に都市の特権を認められ、15世紀前半にはフス運動の根拠地であったが、その後カトリックの中心地となった。15世紀後半に急速に発展を遂げ、最初のチェコ語の本『トロヤン年代記』が印刷された。三十年戦争で被害を受けたが、19世紀に石炭と鉄鉱石の豊富なプルゼニ盆地という立地を生かし、工業都市としてふたたび発展した。兵器製造で知られたシュコダ工場の重機械生産、ピルゼン・ビールのビール醸造のほか、鉱山、電気、製紙、皮革などの工業も盛んである。102メートルの塔をもつ後期ゴシック様式の聖バルソロミュー大聖堂、ルネサンス様式の市庁舎などの歴史的建造物が残され、また、ビール博物館などもある。
[中田瑞穂]
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