イタリア南部、シチリア島の遺跡の町シラクサ(シラクーザ、Siracusa)にある大聖堂(ドゥオーモ)。紀元前5世紀に建設されたアテナ神殿の柱を使って7世紀に建設されたが、9世紀後半から200年にわたるイスラム支配下でモスク(イスラム礼拝堂)となり、11世紀後半にノルマン人によって奪還されたのち、大聖堂として復興された歴史を持つ。本堂と2つの側廊があり、本堂の屋根やアプス(後陣)のモザイクはノルマン時代のもので、建物正面部分(ファザード)や天蓋は18世紀に再建された。回廊部分には、かつてのアテナ神殿の名残がある。16世紀の聖ルチアの銀製の像や雪の聖母像があることでも知られる。大聖堂前のドゥオーモ広場(Piazza del Duomo)は、市庁舎、大司教館、聖ルチアアッラバディア教会、べネヴェンターノデルボスコ館などの17世紀のバロック様式の建物が取り囲んでいる。