アプス(英語表記)Apsu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アプス」の意味・わかりやすい解説

アプス
apse; apsis

建築用語。アプシスともいう。一般的には,建造物端部の半円形もしくは多角形の突出部をさし,ローマの浴場建築,バシリカにその例があり,またキリスト教の場合に限らず,さまざまな宗教空間の最奥部に多くみられる。さらに初期キリスト教時代以来のバシリカ式聖堂の最奥部にとられる半円形の突出部もさす。初期キリスト教時代にはこの奥を司教座とし,その手前祭壇を設けた。ゴシックの時代には,アプスに小祭室の張出しが設けられることが多くなった。

アプス
Apsu

古代メソポタミア神話の神。地下に広がると観念された,地上のすべての水の源をなす淡水を神格化した存在で,太古に,海水を神格化した蛇形の女神ティアマットと夫婦になり,この両者からすべての神々が生じたとされる。のちに彼は子孫の神々が騒がしいのに怒って,配下ムンムとともに彼らを滅ぼそうとしたが,逆にエア神に殺され,以後エアが代ってアプスに住居を構え,水を支配することになったという。

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