シラノール

化学辞典 第2版 「シラノール」の解説

シラノール
シラノール
silanol

シランのHを-OHに置き換えた物質.H3SiOHなどと表記されるが,普通は重合したゼラチン状になっている.H3Si(OH)は,SiH3Clの加水分解などで生成するが,脱水してシロキサン状になりやすく,純粋には単離しにくい.アルカリ水溶液で H2 を発生してケイ酸塩となる.【オルガノシラン(RnSiH4-nのHを-OHで置き換えた物質.R3SiOH,R2Si(OH)2,RSi(OH)3など).安定で単離されたものもある.いずれもRnSiCl4-n,またはRnSi(OR′)4-nの加水分解で得られる.Rの大きいもののほうが,安定で単離できるものが多い.シロキサン化の起こりやすいものは,一般に後者エステルからつくる.n = 1のものは,特別の反応条件で得られた少数のみが知られている.Siのまわりはほぼ正四面体型構造である.たとえば,(C2H5)2Si(OH)2は,Si-O約1.63 Å,Si-C約1.90 Å.∠O-Si-O約110°,∠C-Si-C約111°.ヒドロキシ基のHは酸の性質が強く,たとえば(CH3)3SiOHは,(CH3)3COHより酸の性質が強い.シロキサンはいずれも脱水反応が起こりやすく,Si-O-Si結合を生じやすい.Rの大きいものは比較的縮合が遅い.R2Si(OH)2の場合は,同様の縮合で,

(鎖状,またはn = 3,4の環状)
となる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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