改訂新版 世界大百科事典 「シルバーストン曲線」の意味・わかりやすい解説
シルバーストン曲線 (シルバーストンきょくせん)
Silberston curve
市場構造の一つの決定要因として重視されるのが,大規模生産の経済性である。イギリスの自動車産業を対象として,イギリスの経済学者マクシーGeorge MaxyとシルバーストンAubrey Silberstonは,自動車生産台数と平均費用との間には一つの顕著な関係が存在することを1959年に指摘した。すなわち,生産台数が増加するにつれて平均費用は低下するが,そのような傾向は10万台の水準まで明白に存在し,それ以上生産が増加しても平均費用はほぼ一定という関係がある。これを図で示したものがシルバーストン曲線と呼ばれるものであり,大規模生産の利益を実証的に裏づける代表的な例として重視されている。
執筆者:南部 鶴彦
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