シロイチモンジマダラメイガ(読み)しろいちもんじまだらめいが(その他表記)limabean pod borer

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シロイチモンジマダラメイガ
しろいちもんじまだらめいが / 白一文字斑螟蛾
limabean pod borer
[学] Etiella zinckenella

昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。はねの開張20ミリメートル内外。前翅頂はとがり、前縁部は帯状白色、基部から3分の1くらいのところに橙色(とうしょく)帯がある。後翅は白色を帯びた半透明であるが、外縁部はやや暗色。日本全土およびアジア、アフリカ、アメリカの各大陸から、太平洋の島々に広く分布する。夜行性で、よく灯火に飛来する。幼虫は、エンドウダイズササゲなどマメ科の大害虫で、莢(さや)の中に食入して豆を食うので、ときには大きな被害を受ける。卵からかえった幼虫が食入するときは、莢の表面に繭状のものを紡ぐ。莢内で生活する幼虫は、糞(ふん)を中に残す。1年に3、4回発生し、9月下旬に老熟した幼虫は、乾いた土中に入って繭をつくり、その中で幼虫のまま越冬する。この幼虫は、栽培中に圃場(ほじょう)で加害する害虫であるが、収納後の豆を食害することもある。分布が広域に及んでいるのは、作物とともに人為的に運ばれるためと推定される。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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