シーボルトコギセル(英語表記)Phaedusa sieboldii; Siebold door snail

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーボルトコギセル」の意味・わかりやすい解説

シーボルトコギセル
Phaedusa sieboldii; Siebold door snail

軟体動物門腹足綱キセルガイ科。殻高 1.8cm,殻径 0.4cm。殻は左巻き,紡錘形,黒紫色で縫合の下は淡色。螺層は約 10階。成長脈は多少粗い。殻口は卵形白色で厚く,2つのひだがある。陸生で,おもに九州,四国西部,山口県に分布するが,伊豆半島東部と新潟県能生 (のう) にも飛び石的に分布する。クスノキに好んですむ。長崎で P.シーボルトが発見し命名された。山口県下関市にある住吉神社の蜷替 (になかえ) の神事本尊がこの貝で,かつて神木楠にすむこの貝を肌身につけて旅立ち,帰ると元に返すお守り風習があった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android