ジェルミニーデプレ(その他表記)Germigny-des-Prés

改訂新版 世界大百科事典 「ジェルミニーデプレ」の意味・わかりやすい解説

ジェルミニー・デ・プレ
Germigny-des-Prés

フランス中部,ロアレ県小村。人口約400人。オルレアン司教であり,サン・ブノア・シュル・ロアール修道院長であった,カール大帝の宮廷顧問テオドゥルフThéodulfの別荘に付属した私設礼拝堂(800ころ)が残る。集中式プランで,モザイクによる装飾を施すなど,ビザンティン美術の影響が濃い。15世紀西側に身廊が設けられた。今日の教会は,主祭室とそのモザイクを除き,19世紀の修復時の再建になる。そのモザイクは現存する唯一のカール大帝時代のもの。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジェルミニーデプレの言及

【カロリング朝美術】より


[建築]
 今日もアーヘンにそびえるカール大帝の宮廷礼拝堂(現,大聖堂)は彼自身の計画案によるもので,カロリング朝建築の重要な遺例である。その構造はラベンナのサン・ビターレ(6世紀中ごろ)を模したともいわれる集中式八角堂形式で,東方的なギリシア十字形プランのジェルミニー・デ・プレの礼拝堂(800ころ)と共に,当時としては例外的な形である。当時一般には縦長のプランをもつバシリカ式教会堂が多く造られた。…

【モザイク】より

ビザンティン美術
[西ヨーロッパ]
 カロリング朝期では,アーヘンの宮廷礼拝堂(現,大聖堂)にモザイクが施されていたといわれるが現存しない。ジェルミニー・デ・プレの礼拝堂の〈契約の櫃(ひつ)〉(《出エジプト記》25章)を表すモザイク(799‐818)は,この時代のほぼ唯一の遺例である(ラベンナからの影響が色濃い)。この後アルプス以北では,建築装飾は主として壁画によったため,モザイクはほとんど行われなかった。…

※「ジェルミニーデプレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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