ジェントルキツネザル(読み)じぇんとるきつねざる(その他表記)gentle lemur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェントルキツネザル」の意味・わかりやすい解説

ジェントルキツネザル
じぇんとるきつねざる
gentle lemur

哺乳(ほにゅう)綱霊長目キツネザル科ジェントルキツネザル属に含まれる動物の総称。この属Hapalemurの原猿はマダガスカル島特産で、2種がある。ハイイロジェントルキツネザルH. griseusタケの混交する森林にすみ、頭胴長は約35センチメートルで、尾もほぼ同長。体毛は灰褐色でふさふさと厚く、歯式は他のキツネザル科と同じ

であるが、上顎(じょうがく)門歯が非常に小さい。家族的な群れをつくる昼行性樹上生活者で、リスのように機敏に動き、果実、葉、タケノコを食べる。わきの下と前腕に皮脂腺(せん)をもつ。ヒロバナジェントルキツネザルH. simusはもっと大形で、腕の皮脂腺がない。東部多雨林産の非常にまれな種で、絶滅したという説もある。

[上原重男]

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世界大百科事典(旧版)内のジェントルキツネザルの言及

【キツネザル】より

…社会生活でも,イタチキツネザルだけは単独生活者であり,それ以外のキツネザル亜科のものは集団生活を行っている。ジェントルキツネザルとエリマキキツネザルが雌雄各1頭とその子どもからなるペア型の集団をつくり,その他はより大型の両性集団をつくる。【北村 光二】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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