ジニの法則(読み)じにのほうそく(その他表記)Gini's law

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジニの法則」の意味・わかりやすい解説

ジニの法則
じにのほうそく
Gini's law

イタリアの統計学者C・ジニによって示された所得分布に関する統計的法則。ジニは、V・パレートによって提示された所得分布の法則によると、高所得部分と低所得部分とで実際の分布状況を十分に説明しえないとし、これを修正するため次の統計式を提示した。所得額x以上の所得者数をNx、そのNx人の所得の累積額をSxとすると、NxSxとの間の関係は、

となる。この式は、
  logNx=δlogSx-logC
となるから、勾配(こうばい)δをもつ直線となる。このδの値はジニの集中指数とよばれるものであり、所得分布の不均等度を示すものとして用いられる。すなわち、δが1のときに所得分布は完全に均等であることを示し、δが1より大となるにつれて所得の不均等度は増し、所得分布は全体として低所得のほうに偏っていることを示す。

高島 忠]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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