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所得分布 しょとくぶんぷ income distribution

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

所得分布
しょとくぶんぷ
income distribution

個人または各階層が獲得した所得が社会全体でどのように分布されているかという状態。個人の所得水準には,歴史的,経済的,社会的原因によってさまざまな格差,いわゆる貧富の差が存在する。所得分布はしたがって統計的にみれば,各人の所得を一定の所得階級ごとに区切り,その階級に入る人員数の分布をみるということになる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょとくぶんぷ【所得分布】

所得の階層別分布は,所得の低い階層から高い階層までの各層の度数分布または累積度数分布で示される。表は勤労者世帯の所得分布を表す。この表では世帯が所得の順に5等分され,それぞれの分位ごとの所得のシェアが記されている。所得分布は,世帯の累積比率と所得の累積比率との関係を図示したローレンツ曲線で示されることも多い。所得分布は分配の不平等を議論するときに利用される。不平等の計測方法は三つある。第1に,ローレンツ曲線が交差しない場合には,外側のローレンツ曲線で示される所得分布のほうが内側のそれよりも不平等であるとする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

所得分布
しょとくぶんぷ
income distribution

ある経済社会について、所得がその社会を構成している各個人間にどのように分配されているかを観測し、その平等・不平等の度合いを統計的に明らかにしようとするもの。いずれの国においても、人々の間に大なり小なりの所得あるいは貧富の格差が存在するが、その原因は、各人の所有する生産要素の種類と数量の違い、および各種の生産要素に与えられる経済的価値の違いとの二つによるものである。資本家(資本の所有主体)と労働者(労働の所有主体)との間の相対的分け前の違いは、保有する生産要素の種類に応じた所得分配の形態であり、これは一般に機能的分配とよばれる。通常、所得分配の対象とされるものは、このような保有生産要素の相違を捨象して、各種の生産要素をもって生産に参加する個人間に、所得額そのものが全体としてどう分配されているか、すなわち、国民の間における所得のばらつきぐあいはどれほどであるか、ということであり、これは所得の機能的分配に対して、所得の人的分配ともよばれる。
 いま、社会を構成する各人を所得の低い人から高い人へと順に並べ、低所得層からより高い層へと順々に人数を加えていき、同時にそれらの累積人員に対応して、各人の所得をも累積していくことにより、累積人員数に対する累積所得額の対応表を作成する。それらの累積数は、それぞれ人員総数および所得総額に対する百分比で表しておく。この対応表に基づいて、横軸を累積所得額百分比、縦軸を累積人員百分比を表す(縦横各軸を逆にとっても同様)ものとして図表に描き、各点を滑らかな曲線で結ぶと一般に弓形の図形が表示される。これはローレンツ曲線とよばれるもので、アメリカの統計学者M・ローレンツの創案になるものである。かりに、社会を構成する人々が、すべてほぼ同一の所得を受けていたとすると、たとえば累積人員百分比25%の人々に対応する累積所得額百分比はほぼ25%となり、同様に累積人員百分比の数値とその人員に対応する累積所得額百分比の数値とはつねにほとんど等しくなる。すなわち、所得分配が均等化するほど、ローレンツ曲線は限りなく45度線に近づいていくことになる。したがって、45度線は所得の均等分布線を意味し、実際に描かれる弓形の曲線とこの均等分布線とで囲まれる面積は、現実の所得分布の不均等の度合いを表すことになる。
 所得分布に関するその他の法則としては、イタリアの経済学者V・パレートが、ローレンツより先に、実際の所得分布に関する統計的観測から、所得とそれに対応する人員数との間に、近似的に一定の関係式が成り立つことを示している。その関係は、所得額をxとし、x以上の所得額をもつ人員数をNxとするとき、
  NxA/xα
というものである。この関係式を両対数方眼紙上に表示すると勾配(こうばい)がαなる右下がりの直線となる。このαはパレート常数とよばれ、その値が大となって直線の傾斜が急になるほど所得の均等度が増大すると一般に解釈されている。このほか、パレートの法則と類似したものにジニの法則があり、また、パレート、ジニの両法則のもつ欠点(低所得層の分布については十分妥当しない点)を修正すべく、所得分布の型そのものを問題として提示されたものにジブラの法則などがある。[高島 忠]

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